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営業リストの作り方と使える公開データ

公開日 2026年10月23日著者 Amo編集部監修 BUSCA合同会社 代表 戸井田翔馬

この記事の結論

  • 営業リストは条件決め、データ選び、表の整形、絞り込み、結果の書き戻しの順で作ります。
  • 社名ではなく法人番号を軸にすると、重複や旧社名の取りこぼしを減らせます。
  • 法人番号公表サイトやGビズインフォなど、無料で確認できる公的データから始められます。

新しい期や新商品の立ち上げのたびに、「どこに電話をかけるか」で手が止まることがあります。この記事では、狙う条件を言葉にするところから、架電や郵送にすぐ使えるところまでの流れを順に説明します。無料で確認できる公的なデータの種類と、件数は集まったのに反応が出ないときの原因もあわせて整理します。

営業リストはどう作る? 5つの手順

営業リストとは、自社が営業をかける企業を、社名・所在地・連絡先などの項目でそろえて並べた表です。

目的は、誰に、どの順番で、何を話すかを、担当者が迷わず決められるようにすることです。件数を集めること自体が目的になると、作ったあとで使い道に困りやすくなります。

作り方の流れは、ほぼ決まっています。条件を決め、公開データを選び、1枚の表にそろえ、不要な行を落とし、当てた結果を書き戻します。

手順1:狙う会社の条件(業種・地域・規模)を言葉にする

最初に決めるのは、業種・地域・規模の3つです。ここが言葉になっていれば、あとの作業はほとんど機械的に進みます。

手がかりは、すでに取引のある企業にあります。直近で受注した企業を並べ、業種・所在地・従業員数・担当者の役職を書き出してみましょう。例えば、直近の10社のうち7社が従業員50〜300人の製造業で、5社が同じ県内だったとします。その場合、最初の条件は「県内の製造業、従業員50〜300人」と置けます。

条件は、あとから広げられます。狭く始めておくと、反応の良し悪しを判断しやすくなります。

手順2:条件に合う公開データを選ぶ(法人番号・許認可・統計・業界団体の名簿)

企業の基本情報は、公的なデータで無料で確認できます。どれか一つで完結はしないので、役割ごとに組み合わせるのが現実的です。

  • 国税庁の法人番号公表サイト:商号・所在地・法人番号が分かり、新設や閉鎖も反映されます
  • 経済産業省のGビズインフォ:従業員数・資本金・設立年・許認可などを確認できます
  • 金融庁のEDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork/電子開示システム):上場企業の開示書類と企業コードを確認できます
  • 総務省・経済産業省の経済センサス:業種別・地域別の企業数という母数の把握に向きます
  • 建設業者や介護事業所などの許認可名簿:その許認可を持つ事業者を地域別に探せます
  • 業界団体の会員名簿:特定の業界に絞った一覧として利用できます

選ぶときは、更新の頻度と範囲を先に見ておくと安心です。法人の基本情報は入れ替わりが早く、名簿は更新が年単位のこともあります。

手順3:社名と所在地を軸に項目をそろえて1枚の表にする

集めたデータは、表計算ソフトで1枚の表にまとめます。軸になるのは社名と所在地、そして法人番号です。

法人番号は企業ごとに割り当てられた13桁の番号で、社名が変わっても同じ番号が続きます。1列目に置いておくと、別のデータと突き合わせるときに迷いが減ります。社名だけで突き合わせると、似た名前の別会社が混ざりやすくなります。

列は、法人番号・社名・所在地・業種・従業員数・電話番号・サイトのURL・取得元・取得日で十分です。表記のルールも、この段階で決めておきましょう。株式会社を前に置くか後ろに置くか、半角と全角のどちらにそろえるかを決めます。全員で共有しておくと、あとが楽になります。

手順4:重複と廃業・移転を落として、優先順位をつける

同じ会社が二重に入っていないか、閉鎖した会社が残っていないかを確認します。そのうえで、当てる順番を決めます。

重複は、法人番号で並べ替えると見つけやすくなります。番号が無い行は、社名から「株式会社」を外した文字列と所在地の組み合わせで確認します。取引中の企業や進行中の商談先も、ここで外しておくと安心です。

優先順位は、条件との近さで段階を分ければ足ります。例えば、近い順に3段階に分ける形です。仮に条件に合う会社が2,000社、1人の架電が1日40社なら、全件の一巡に50営業日かかります。仮に上位500社に絞れば、同じ人数でも3週間ほどで一巡できます。

5つ目の作業は、当てた結果を同じ表に書き戻すことです。つながった・不在だった・断られたという結果が残っていれば、次の一巡の条件を見直せます。

作ったリストが使えなくなる、よくあるつまずき

件数は集まったのに反応が出ないとき、原因はたいてい作り方の途中にあります。代表的な4つと、それぞれを防げる手順を挙げます。

条件を広げすぎて「誰に当てるリスト」か分からなくなる

件数を増やそうと業種や地域を足していくと、話す内容を一つに決められなくなります。製造業と小売業が同じリストに混ざると、同じトークスクリプトでは噛み合いません。

これは手順1で防げます。条件を広げたくなったら、同じリストに足さず、別のリストとして分けるのがおすすめです。

公開データの更新日を見ずに古い住所・社名のまま使う

企業の所在地や商号は、思っているより動きます。更新が止まった名簿をそのまま使うと、郵送物が戻り、電話も別の会社にかかってしまいます。

手順2で、データごとの更新日を控えておきましょう。表に「取得元」と「取得日」の列があれば、半年後に見返したときの判断材料になります。

表記ゆれ(株式会社の位置・旧社名)で重複に気づかない

「株式会社サンプル工業」と「サンプル工業株式会社」は、表計算ソフトでは別の行として扱われます。旧社名のまま残った行も同じです。同じ会社に二度電話をかけると、先方の印象を損ねます。

手順3で表記のルールを決め、手順4で法人番号を軸に確認すれば、この取りこぼしは大きく減らせます。

利用規約や個人情報の扱いを確認しないまま社内共有する

名簿やデータベースには、利用の範囲が定められているものがあります。営業目的での利用や再配布が認められているかは、入手した時点で確認しておきましょう。

担当者の氏名やメールアドレスは、個人情報として管理する必要があります。取得元と利用目的を表に残し、共有先を限っておくと安心です。

手作業の限界を補うツールの種類

表計算ソフトだけで進めると、件数が増えたところで時間が足りなくなります。補うツールは、機能の種類で分けて考えると選びやすくなります。

企業データベース型:条件で法人を絞り込む

業種・地域・従業員数などの条件から、該当する企業の一覧を得るタイプです。手順1と手順2をまとめて短縮できます。収録範囲と情報の更新日を確認しておくと、期待とのずれを防げます。

名寄せ・重複チェック型:表記ゆれをそろえる

社名の表記を統一し、同じ会社の行をまとめるタイプです。複数の名簿を合わせたときや、展示会の名刺データを足したときに役立ちます。自動でまとめた結果は、件数の多いものだけでも目視で確かめておくと安心です。

Webから企業情報を集める収集型:公開情報を自動で拾う

企業の公式サイトを読み、事業内容や問い合わせ先を集めるタイプです。基本情報では分からない「何をしている会社か」を補えます。サイトを持たない企業は情報が埋まらないため、全件そろう前提では考えないほうが安全です。

リスト管理・架電記録型:当てた結果を残して次に回す

架電や送付の結果を企業ごとに記録し、次の担当者に引き継ぐタイプです。前出の5つ目の作業を、表計算ソフトの手入力より楽に続けられます。項目を増やしすぎると入力が止まるので、結果と次回予定くらいに絞ると続けやすくなります。

Amoでできること

ここまでの4種類のうち、絞り込みと公開情報の収集を一つの画面で進めたい場合は、AmoのTargetを利用できます。

Targetは、条件を入れるだけでテレアポにも利用できる営業リストを作る機能です。左の列で都道府県・市区町村・事業内容のフリーワード・従業員数・連絡先の有無などを指定します。すると、右に該当する会社の数と一覧がその場で出ます。

検索ボタンは無く、条件を変えるたびに件数が変わります。資本金・設立年・業種・上場の有無・採用ページの有無といった詳細条件も、開いて追加できます。

会社の一覧は、国税庁の法人番号公表サイトのデータをもとに日々更新しています。従業員数や資本金などはGビズインフォ、上場の情報はEDINETから付けています。閉鎖した会社は検索に出ず、作成済みのリストでは「閉鎖」と表示されます。古い住所のまま当ててしまう場面を減らせます。

検索結果の上にある「この条件の会社を詳しく調べる(無料)」を押すと、各社の公式サイトと会社概要を読みに行きます。そこから、事業内容の一行説明や連絡先を埋めます。サイトを持たない会社は空欄のまま残ります。そのため一覧には「うち連絡先・事業内容まで判明◯社/未判明◯社」と内訳を出しています。

検索、リストの作成、一覧の閲覧、この調査までは無料です。料金がかかるのは会社の取得だけです。対象は、Leadsへの取込、CSV(Comma-Separated Values/カンマ区切りのテキストファイル)の書き出し、詳細パネルの「取得する」です。

1社分は一度の購入で済み、同じ会社に二度料金がかかることはありません。Freeプランでも検索と閲覧は制限なく利用でき、取得は1か月に30社まで試せます。

検索は、条件を何も入れない全国検索ではなく、何か1つ条件を入れる形です。社名や事業内容のフリーワード、従業員数などから選べます。市区町村で絞るときは、都道府県もあわせて選んでおきましょう。府中市や伊達市のように、同じ名前の市が複数の県にあるためです。

やってはいけないこと

  • 件数を増やすために業種や地域を足し続けるのは避けましょう。話す内容が決まらなくなります。
  • 更新日を確認しないまま古い名簿を使うことは避けましょう。郵送物が戻ったり、別の会社に電話をかけてしまったりします。
  • 表記ルールを決めずに複数のデータを結合することは避けましょう。同じ会社への二重架電が起きます。
  • 利用規約や個人情報の扱いを確認せずに、社外から入手した名簿を社内で共有することは控えましょう。
  • 当てた結果を記録せずに次のリストを作ることは避けましょう。条件を見直す材料が残りません。

よくある質問

Q. 営業リストは何件くらい用意すればよいですか。

A. 件数より、当てられる速さから逆算するのが現実的です。例えば、1人が1日に架電できるのが40社で、1か月に20営業日あるとします。この場合は800社で一巡できる計算です。最初から数千社を用意するより、条件に近い数百社で一巡し、反応を見て条件を広げるほうが、話す内容を整えやすくなります。

Q. 公開データだけで連絡先までそろいますか。

A. 国税庁の法人番号公表サイトで分かるのは、商号・所在地・法人番号が中心です。電話番号や問い合わせフォームは、各社の公式サイトを見て初めて分かる情報です。基本情報は公的なデータでそろえ、連絡先は公式サイトの確認や収集型のツールで補う組み合わせが現実的です。

Q. リストはどのくらいの頻度で見直すとよいですか。

A. 商号や所在地は入れ替わりがあるため、作りっぱなしにしない運用が向いています。架電や送付の結果を都度書き戻し、一巡が終わった時点で重複と閉鎖を確認する流れをおすすめします。反応のあった企業の業種や規模を見比べると、次の条件を絞り込む材料にもなります。

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